レーザー加工とは?わかりやすく解説!

レーザー加工とは

レーザー加工とは、言葉そのままにレーザー光線を使って加工することです。レーザと聞くと、スカイツリーや東京タワーのライトアップなどを想像するのではないでしょうか? レーザー(Laser)は、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiationの頭文字を取った合成語です。日本語では、放射の誘導放出による光の増幅という意味になります。
レーザーを使って金属や木材などを切断したり穴あけして製品を作っていく、プレス加工や穴あけ加工と同じ金属加工の一種です。
レーザー加工機を使うことによって、もともと手作業で加工していた商品や材料を大量に素早く加工することが可能になりました。
金属や木材やアクリルや革や紙、やわらかいゴム素材や布地にも文字や記号を記す表面処理がしやすくなりました。レーザー加工が普及したことによって加工できる幅が格段に広がったのです。
手作業では難しい複雑な加工も容易にできるようになり、今ではいろいろな業種に導入されています。
いろいろな業種の一つに、加工とは違いますが近年では医療でもレーザーの導入が進んでいます。
手術時に出血を抑えるためにレーザーメスを使ったり、虫歯にレーザーをあてて治療したりと、日々、金属加工や日常生活で活躍しています。
そんな工業以外の分野でも注目され、研究が進んでいるレーザーですが、その原理はどうなっているのでしょうか。レーザーやレーザー加工の原理について学びましょう

レーザーの原理

1960年に米国の物理学者セオドア・メイマンが、人工ルビーを用いて赤色のレーザー発振に成功しました。レーザー発振の成功は、太陽の中心より明るいアトミック・ラジオ光と名付けられて発表されたようです。
レーザーは太陽光よりも優れた光線であるという意味です。レーザ光の特徴には、連続したきれいな波であること、鋭い指向性を持つこと、エネルギー密度の高い光源であることの3つが挙げられます。
レーザー加工の原理は波と振動によって成り立っています。
テレビやゲームで目にするレーザーは一瞬触れただけでも体が溶けたり、レーザーの光を振り回すと瞬時に周りの建物や金属が切断されたりする光景を多くみますね。
それを想像すると、確かにテレビのレーザー光線は超がつくほどの高熱を放っていることになります。
実際、金属加工用のレーザーに触れると大変なことになってしまいます。
金属ですら瞬時に切断したり穴をあけたりするので、人体を通せば触れた部分は一瞬でどうにかなってしまうほどの威力が出ています。
恐ろしく危険なので、レーザー加工機を扱う際はメンテナンスの時を含め重々注意が必要となります。
太陽光(自然光)は、1つの波(波長)ではなく、無数の波が集まったものです。さまざまな波長の光が混ざっています。それに対してレーザは、1つの波(波長)で出来ており、連続したきれいな波です。
分かりやすくいうと、ホースから出る水を散水ノズルで細くすると、水が出る勢いが増す感じです。
ホースの水を細くして強力にする散水ノズルが、レーザー加工機でいうレンズの役割にあたります。
加工機の中を通ってきた光を集光レンズで細く絞ることで光を集中させ、威力を格段にあげて素材を溶かします。
また、レーザは鋭い指向性を持ちます。指向性とは、直進性が強く広がらないという性質です。
指向性の高いレーザを集光レンズで絞ると、極めて高いエネルギー密度の光源が得られます。高いエネルギー密度の光源により穴あけや切断などのレーザ加工が可能になります。

レーザーの種類

レーザには、波長によってさまざまな種類があります。

電磁波

電磁波は、電気と磁気の2つの性質を持った波です。波長の違いにより赤外線、可視光線、紫外線に分けられます。私たちが光と呼ぶのは、可視光線です。色の違いは、波長の違いです。

レーザ光

レーザ光には、X線から赤外線まで広い波長域が使用されています。レーザポインタが赤く見えるのは、可視光線の中でも赤色の波長領域のレーザ光を用いるためです。

波長について

金属の加工に利用されるCO2レーザ加工機の波長は10.6μmであり、レーザ光は見えません。波長が変わるとレーザの種類が変わるだけでなく、材料がレーザを吸収する割合などが変化します。
よって、レーザ加工における波長は、重要な要素です。光というと太陽光や電灯のようにあらゆる方面に光が発せられ、さらに光の色が何色も合わさっています。

太陽光や電灯の光の色は白いですが、白く見える理由はいくつもの光が合わさっているためなんですね。
絵具は何色も混ぜることにより黒くなる性質を持ちますが、光は何色も混ざることにより白く見えるように人間の目はできているのです。
太陽光などの白い光は何色もあるため、光の波が合いません。
しかし、レーザーの光は一点集中しており、しかも単色なので光の波がそろっているのです。

波長や山と谷がそろっている光をレーザー加工機内部にあるレンズに通すと、密度の高い光ができあがり、威力が格段に増します。
分かりやすく例をあげると、ホースから出る水を散水ノズルで細くすると、水が出る勢いが増す感じです。
ホースの水を細くして強力にする散水ノズルが、レーザー加工機でいうレンズの役割にあたります。
加工機の中を通ってきた光を集光レンズで細く絞ることで光を集中させ、威力をあげて金属や木材などの材料にレーザー光を当てることで、材料の原子や分子が振動すると急激な発熱が起こります。
そうして溶かした金属をアシストエアーで瞬時に飛ばして、穴をあけた部分をきれいにしていきながら材料を掘り進めます。